カメラ台数別・最適な発注方法 (2台カメラ編)
〜 カメラ台数別・最適な発注方法 (2台カメラ編)〜
前回「下見」の効果について言及致しました。
今回は各舞台撮影業者さんがほぼ必ずといって良い程用意している「2カメコース」「3カメコース」等のカメラ台数で分けられた撮影プランの効果的な使い分け、発注プランについて数回の記事にご説明致します。
弊社・東京映像でも主に2台、3台、4台カメラコースとご用意致しておりますが、それぞれのどのコースを注文するのが自分達の団体の公演に適しているのか充分に検討された事もない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ご安心下さい。多くの団体様が適したカメラ台数を把握しないでご発注なさって下さるケースも少なくはありません。
この記事を読み終わる頃には、把握して次回のご発注より適切な規模の撮影を行う事が出来るようになります。
まず2カメコースですが、
こちらは前回「下見」の記事でも出て参りました通り「引き」のカメラ1台と「中間」のカメラ1台の構成と思って頂ければと存じます。
「中間」カメラというのは舞台上の物語の進行や役者の方々の動きを人間の全身サイズで捉える事が主な役割のカメラになります。
なぜ全身サイズで、顔のアップ(表情の微細な変化)等は捉えないのかという疑問が出て来るかと思います。
①「中間」のカメラが顔のアップ(表情の微細な変化)等を捉えてしまった場合、
顔のアップ(表情の微細な変化) を捉えると、もう一台しかない「引き」のカメラに編集時に切り替わった時、
かなりのアップから舞台全体を映した映像になってしまい、あまりスムーズな画面切り替えとは言えません。
②続いて「中間」カメラが本来の役割である全身サイズの映像をしっかりと捉えた場合、
全身サイズであれば、「引き」のカメラに切り替わった時に違和感がありません。
全身サイズの映像であれば、「引き」のカメラに切り替わったとき、変化の大き過ぎる編集が行われずに済みます。
「中間」カメラはあまり寄り過ぎず撮影した方が効果が大きいという事になります。
ではこの全身サイズを捉える「中間」カメラが役に立つ舞台演出・規模ですが、
1.主にダンス系を扱った舞台
2.奇想天外な動きや展開に演出された舞台
3.二人や複数の演者の台詞の掛け合いで魅せる舞台
の3パターンが主に2台カメラコースに適した舞台になると思われます。
それぞれのパターンにおける合理性を簡単に解説致しましょう。
1.主にダンス系を扱った舞台
足の先から指の先までダンサーの方の動きを映像に入れたいというご要望が各団体様から多いのが現実です。
回転しながら右へ左へと激しい演武をされるダンサーの方々が自身の優れたダンスの模様・技を映像に残す事が出来て、
またその映像を追加発注で多少自分にとって必要な洋式に再編集されると各メディアに対応したアピール映像として活用する事が出来ます。
2.奇想天外な動きや展開に演出された舞台
芸術性の高い舞台物語等ですと、物語進行のセオリーを崩したり、舞台上に予期せぬ仕掛けを施していたり、また役者の方々も通常考えられる動きとは違ったパフォーマンスを展開する事がしばしばあります。
そんな演出を捉える為にも、「中間」と「引き」のカメラのコンビネーションで全ての大切な事象を捉えていく事が効果的になります。
3.二人や複数の演者の台詞の掛け合いで魅せる舞台
こちらは理想は4台以上のカメラを使用して各々の台詞を言い合っている役者さんを1ショットずつ抜くのが良いのですが、まず予算面が大きくなるのと、仮に4台以上のカメラ構成だとしても、役者さん同士の距離や動き(例えば台詞を言っていない側が、拳を固める等の微妙なリアクションをしている等)によっては「中間」カメラで見せた方が、舞台上の意図が充分に観客に伝わる事があります。
よって複数の役者の台詞で魅せる舞台演出が多い場合は、2台カメラでかなり充分なDVDにお仕上げする事が出来ます。
以上の3パターンの舞台構成の場合に「中間」カメラを軸とした2台カメラコースがとても適している事がご理解頂けたでしょうか。
次回は3台カメラ編について記載致したいと思います。
皆さんのビデオご発注の際にお役立て頂ければ幸いであります。